リップル(XRP)のリスクと実用性は表裏一体! 価格面と合わせて解説

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送金実験の実施や9月の価格急騰などで話題となっている仮想通貨リップル(正式名称:XRP)。

取引量も多く、国内でも人気が高い一方、非中央集権を目指したビットコインと対照的に中央集権的であるとして否定的な意見を持つ人も少なくありません

しかしその中央集権的な仕組みはリスクでもある反面、XRPの特徴である送金という面を支えるものでもあります。

リップルに投資する前にリップルのリスクや特徴を認識しておきましょう。

1. XRPの抱える3つのリスク

XRPは仮想通貨の中で知名度も高く、国内でも取引しやすい仮想通貨の一つです。しかしXRPもいくつかのリスクを抱えています。

1-1. 中央集権的であること

XRPが抱えるリスクの一つ目は中央集権的であることです。

Decentralized(非中央集権)を目指して誕生したビットコインが、マイニングの報酬として発行されるのに対し、XRPはリップル(Ripple)という法人が発行しています。発行元が法人であるということは、その法人の施策次第で発行枚数を調整することが可能ということ。

さらに総発行枚数1000億XRPのうち630億枚がリップル社によって保有されているため、流通量のコントロールも行われているということになります。

発行枚数や流通量の変化は、価格にも影響が出ることもあるため、一つの会社にこれらの権限があることは投資上の大きなリスクに。投資家の不安を解消するため、リップル社はロックアップという、リップル社単体ではXRPを売却できない仕組みを導入しています。

ロックアップについて(3章)

またビットコインの取引承認は不特定多数のマイナーによって行われますが、XRPの取引ではリップル社によって選ばれた承認者(バリデーター)によって行われます。取引の正当性を承認する作業者がリップル社によって選ばれるという点も、中央集権的であるといわれる所以です。

1-2. 法規制がかかる可能性があること

今、米国証券取引員会(SEC)(*1)でXRPが有価証券であるか否かという議論が起きています。XRPは有価証券ではないと言う人もいますが、2018年11月27日時点でSECから正式な発表はなされておらず、議論の結論は出ていません

有価証券の取り扱いにはSECの認可が必要になりますが、2018年11月27日時点でSECの認可を受けている仮想通貨取引所はありません。そのため、もしSECがXRPを有価証券とみなした場合に、XRPを取り扱える取引所がなくなり、取引量の減少から価格が下落する可能性があります。

XRPだけでなく、仮想通貨に対する法律の整備はまだ不十分で、2018年1月の中国による仮想通貨取引所への規制強化など、規制やその報道によって市場全体が冷え込むことがあります。

一方で日本では、改正資金決済法で仮想通貨交換業を営むための登録制度を設けるなど、投資家を守る動きも。法律によって仮想通貨に一定の定義が設けられることで、小売店が仮想通貨決済を導入する足掛かりとなるなど良い影響がでることもあり、法規制=リスクと捉えることは一概にはできません
*1)日本の証券取引委員会にあたり、有価証券の取引を公正な立場で監視している組織

法規制については、以下の記事でも詳しく解説しています。

1-3. ブリッジ通貨であること

ブリッジ通貨とは通貨ごとの橋渡しをする通貨のことで、XRPを介することで異なる通貨の交換や国際送金が簡単になると期待されています。

なぜブリッジ通貨であることがリスクになるのかというと、ブリッジ通貨では価格の安定性が重要になるため。

しかし仮想通貨価格の変動の大きさを考えると、現状ではXRPはブリッジ通貨の役割を充分に果たせるとはいえません。このような状況で、もしXRPがブリッジ通貨として使われないとなると、国際送金などのXRPならではのメリットが薄れXRPの価値が減ってしまう可能性があります。

2. XRPのメリット

XRPは送金での利用を考えて作られた通貨です。そのためビットコインやイーサリアムと異なる特徴があります。

2-1. XRPは送金の利便性が高い

XRPのメリットを3つ紹介します。

メリット1・送金スピードが速い

ビットコインの送金には最短でも約10分、ライトコインは2.5分(いずれも理論値)がかかりますが、XRPはわずか4秒。主要な仮想通貨の中でもトップの送金スピードを誇っています。

このスピードを可能にしているのは、実は1章のリスクで取り上げた中央集権的な仕組み。XRPで採用している仕組みはPOC(Proof of Consensus)と呼ばれ、ビットコインで使われているPOW(Proof of Work)よりも迅速な承認、送金が可能になっています。

POC(Proof of Consensus)の仕組み
POC(Proof of Consensus)は合意(Consensus)によって、取引が承認される仕組みです。バリデーターが「取引が可である」と合意すれば承認されるので、ビットコインで採用されているPOWのように膨大な計算を必要としていません。

決済速度については以下の記事で詳しく解説しています。

メリット2・手数料が安い

XRPは送金手数料も他の通貨に比べて安く、公式では0.00001 XRPと設定されています。2018年11月28月時点の価格で1XRPは約45円(bitbank.cc)なので、送金手数料は日本円で約0.00045円

送金手数料はマイナーに支払われる報酬であり、マイナーたちは得ることができる報酬の高い取引から順に承認を行っていきます。そのため取引が増えるほどに送金手数料は高騰しやすく、ビットコインの場合は2018年11月8日時点で23ドル(約2,600円/11月28日時点)と、法定通貨の国際送金で必要な費用と同等水準に。

参考:blockchain.com

XRPは承認スピードが速いために送金詰まりが起こりにくく、送金手数料の高騰が起こりにくくなっています。

取引所の手数料はなぜ0.00001XRPではないのか
取引所の送金手数料は通貨の送金手数料とは別に設定されていて、例えばビットバンクでは1回の送金で0.15XRPの手数料が必要です。これは通貨の送金自体にかかる費用のほか、取引所のセキュリティ維持など運営費用を賄うためです。

メリット3・処理性能が高い

XRPは処理性能も高く、1秒間で1,500回のトランザクションの処理が可能です。

ビットコイン、イーサリアムは1秒間で16程度、ビットコインキャッシュは24程度のトランザクションの処理ができるので、XRPはビットコインの9倍以上の処理性能があるといえます。この処理性能の高さは、承認の速さにもつながっています。

参考:ripple.com

2-2. リップルネットワークとXRP

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XRPはよく「リップル」と呼ばれていますが、実は仮想通貨の正式名称は「XRP(エックス・アール・ピー)」と言います。

リップル(Ripple)は会社名のことであり、国際送金システム「リップルネット」の運営やXRPの発行を行っています。

XRPはリップルネットで使用される独自通貨であり、リップルネット上でほかの法定通貨の橋渡しを担います。

このシステムによって、国際送金の利便性を向上させることが期待されています。

3. XRPのこれまでと現状

XRPのリスクや特徴を知ったうえで、XRPに関わるニュースを見ていきましょう。

3-1. ロックアップの実施

ロックアップとは、株取引において特定の銘柄を多く保有する株主が、一定期間売却できないようにする契約です。XRPのロックアップは、リップル社がXRPを売却できないようにしたことを指します。

XRPの総発行枚数は1000億枚ですが、そのうち63%にあたる630億枚をリップル社が保有していました。

しかし630億枚のXRPが一気に市場に流れるとXRPの価値は暴落するのではないかという投資家たちの懸念が。その懸念を解消するために、リップル社は自身が保有する630億枚のうち550億枚をロックアップし、「リップル社が一気に売却して価格が下がることはない」という姿勢を見せたのです。

さらにこのロックアップは、エスクロー(*2)という第三者を仲介する契約制度で行われており、ロックアップされた550億XRPをリップル社の一存で売却することはできません
*2) 取引の安全性を高めるために信頼のおける第三者の金融機関を仲介して契約の履行とともに代金の支払いを行うこと

ロックアップは2017年12月に完了。2018年1月より毎月10億枚を上限として、ロックアップの解除がおこなわれています。

ロックアップに関しては、以下の記事に詳しく解説しています。

3-2. 9月に高騰した理由

XRPは2018年9月に30円代から60円代まで高騰を見せました。リップルネット内のシステムであるxRapidの利用拡大や10月1日に開催された「SWELL」という大規模カンファレンスへの期待が高まったからだといわれています。

4. XRPの今後

XRPは今後どのように展開していくのでしょうか。以下の2つの観点からXRPを見ていきましょう。

4-1. 国際送金など金融分野での普及

送金の利便性が高いXRPなので、銀行などの金融分野での普及が期待されています。

すでにイングランド銀行などの各国中央銀行をはじめ、三菱UFJ銀行やJPモルガン、バンク・オブ・アメリカといった大手銀行がリップルネットワークへ参加。大手金融機関の参加は、小規模な金融機関の参加も促すと期待されます。

Ripple Incの提供するxRapid、xCurrent、xViaを用いて銀行以外の送金業者、または海外と取引する一般企業もXRPを利用していくことが期待されます。

4-2. ロックアップが解除されてどうなったか

2018年の1月にロックアップが解除され、以降月1回のペースでXRPの市場への放出が開始されました。ロックアップ解除は毎月1日に実施され、市場へ大きな影響が出ないよう、一度の放出上限は10億枚に制限されています。

ロックアップの解除によりXRPの価格は急落するのではないかと懸念されていましたが、実際にはロックアップの解除が原因とみられる急落はありませんでした。

ロックアップを解除されたXRPは直接市場に放出されたのではなく、XRPの流動性を促すための協力者に報酬として分配されたからと言われています。

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2018年7月から価格(bitbank.ccより)

5. まとめ

XRPは国際送金実験の実施やリップルネットへの参加拡大など、仮想通貨の中でもポジティブなニュースを耳にすることが多い通貨です。

中央集権であることはリスクでもありますが、承認を迅速に行ったり、手数料の高騰を抑えたりとメリットも生んでいます。XRPの特性を知り、ニュースを理解することは、XRPが今後どのように普及していくのか、またそれらが価格にどのような影響を及ぼすのかを考える糸口になるはずです。

XRPや仮想通貨全体が抱えるリスクを知り、安全な投資を行いましょう。